注意

日記に載せていたプチ小説をまとめたものです。
なので、中途半端に終わっているものがほとんどです。
あと、書き方なども見直していませんので・・・
所詮は日記小説、と思ってご覧ください。



+オリジナル+




 求めても・・・求めても―――――・・・
 それはただ流れていくだけ・・・

 お願いだからっ! 消えないでよ!!

 伸ばした腕が空を切る

 ねぇどうして・・・ボクを置いていくの?

 声は聞こえない 何も見えない
 全て消えてしまったから・・・

 ただ好きでいたかった
 ただ傍にいたかっただけなのに―――――

 ボクは独りなの?

 答えはない・・・
 ゆっくりと風が流れていくだけ


(2006.03.16)

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 力を持ちすぎた――――
 魔力を持ちすぎた――――
 自分を過信しすぎた――――

 全ての原因は自分にあった――――





 薄暗い室内
 壁を囲う巨大な本棚と無数の本

 黄色がかった古びた魔法書を1冊手に取る。
 文字は読めない。
 どんな効果かわからない。

 古代文字の下に書かれた魔法陣を羊皮紙に書きなぐり、自分の証となる血液を1滴、中心に垂らす。

 準備は出来た。
 あとは言葉を発すればいい。

 そうしてボクは、どんな効果があるのかもわからない魔法を口にした。



 ――――生まれながらに持つ魔力と自己の過信
 ――――全てここから始まり、ボクは追われる





「嫌だ・・くるな・・くるなああぁぁ!!」


 生まれ出た者
 黒い者

 自分の中の悪の者
 形となって現われた


『ヒドイなぁ、僕はボクなのに・・・僕はボクだよ』


 かの古き人々は、自らの悪を具現化する魔法を唱え
 生まれでた黒き者を箱の中に閉じ込めた。


「違う! 僕はお前じゃない・・・!!」


 箱のない今
 生まれた僕はボクを狙う――――

 影
 そう、影がボクを狙うんだ――――




「怖い・・怖いよ・・・誰か、助けてよ・・・・」


 目を瞑れば、僕が笑う。
 夕暮の影が伸びる時、僕はボクを狙う。

 常に夜を狙い、影を無くして、ボクは国を出た。



 そんなボクを見て、人は笑う。
 影のように笑う。

 誰も信じられないんだ・・・
 人、全てが僕に見えるから・・・






「こんな場所で何をしている?」


 建物と建物の間、月の光の入りこまない場所
 座りこんだボクに声をかけてきたのは、白いヒゲを生やし茶色の帽子、茶色のでかいマントで身体を包んだ初老の男性

 弱ったボクを見下ろし、彼は手を差し伸べた。


「・・っ・・ボクは、誰も信じない・・・!」
「逃げ続ける事は出来ない。影は逃げて消えるものではない」
「何故・・・? 何故知っている?」


 違う。
 彼は違うんだ。

 他の人と違う。
 影じゃない。


「お前が影を掃いたいのなら、私と共に来ればいい・・・」


 ボクは手を掴んだ。
 一人ぼっちじゃ、ないんだ――――




「ボクはこのまま死ねた方がラクだと思う・・・・」


 影に呑まれ、影の一部となって・・・


「ねえ、命って何だろう・・・」


 どんなに死を思っても、どんなに恐くて辛くても―――
 それでも、ボクは生きたいと思うんだ――――・・・

 心の底から、命の強さを思うんだ――――・・・


(2006.05.11)

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如何に人を恐れ
如何に人を失っているか――――

己の弱さに気づいていながら、それでも恐れ逃げ惑う
そうした挙句、全てを失ってから、やっと未熟さを噛み締める

死にたくないと、命を請いながら
どんなに笑われ、蔑まされようとも

己が命を守るために
必死になって逃げ惑う

これが運命
己の運命

だから逆らわずに流されよう
そのままに身を任せよう

そうしてやっとまた気づくのだ。

――――まだ、終わるわけにはいかない、と。


(2006.05.17)

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 薄明るい空
 もう間もなく、夜が明ける

 望む物は多くて 望まれる物は少なすぎる
 向かえた新しい季節は 切ない想いが積み重なるだけ

 ありふれた言葉でも、キミと共にいられたのなら

 もう少し あと少し
 この風へ力を乗せて 大いなる羽を羽ばたかす

 夢の畔に立つ僕等を 月はいつでも見つめている
 誰も触れる事は叶わない 不可思議な二人だけの世界

 キミの手を離さぬよう、その腕を絡めて願う
 僕等はここで生まれ変わろう


(2006.05.19)

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透きとおる時 儚いこと
壊れゆく 何もかも
全て 全て 堕ちていく

戻ること 叶わぬもの
望まれるより 死するべき
全て 全て 死んでいく

もう周りは 見ることもなく
空気に流れ 風と散りゆく
夜は既に無く 朝くることも無し

残されし 其の物さえも
何れは姿も 消え失せる

壊れ 壊れよ
全て 壊れよ

想うことも 望むことも
一時の無空に 全て壊れよ


(2006.05.22)

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生きる意味に固執したとき
生きることに怯える

死ぬ意味を知ったとき
死ぬことに憧れを抱く

果たして それは良き世界
斯くして それは独りの世界

背に生える 白い翼
合わせられる 黒い翼

鏡隔て 手を握り
少女は空を 少年は地を 見つめている

暗きとき 少女は世へ生まれ出た
明るきとき 少年はそっと命を閉じた

それでもどこか 触れる手は繋がる

独りのようで 複数の世界
気付けば傍にいる 影と共に

わたしは わたし
わたしは あなた

少女が 呟く

ぼくは ぼく
ぼくは きみ

少年も 呟く

切れそうに細いけど
切れない細い糸

繋がっているんだね
うん、繋がってるよ

そういう世界
そういう運命

正反対の―――――・・・


(2006.05.25)

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あと少し・・・
もう少しだけ・・・


消えていく手
枯れていく声


何もかもが 全てが無くなりかけている


目も虚ろ
髪さえ抜けて


残ったものは 未練がましい精神だけ


逢いに行かなくちゃ
今すぐ 逢いに行かなくちゃ


じゃないと きっとキミは泣いているから
綺麗なその瞳から 大粒の涙が流れているだろうから


飛ぶ・・・ 僕は飛ぶ
空・・・? わからない
不思議な色 原色が混ざることなくグチャグチャになっている色
そんなところを 僕は飛ぶ


そして終着点が見えるんだ
キミは黒い服を着て 顔をベールで覆いかぶし
1基の墓の前で 肩を震わせ泣いているんだ―――――


聞こえてきた 聞こえてきた
キミの震えた声 空間を越えて聞こえてきた


そんなに泣かないで
そんなに悲しい?
え? よく聞こえない・・・


キミは空を・・・僕を見上げる
そして―――――・・・





大声で笑った。


(2006.06.03)

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脳内を支配するのは 狂った音楽
鳴り響くこと 永遠に
終わること 何も知らない

目を開いても 目を閉じても
耳を通して 頭を侵す

音 音 音
やがて精神すら 狂わされていく―――――


(2006.06.05)

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